日記「引出しの中」

遠い日のハテナ ダイアリーのように、、。

2024.01.22「反応」

独特な温かさを持つ拍手。
どうかすると、音楽やっているのは聴き手の方かも知れない。
演奏終了後の来場者と言葉を交わすのが、欠かせない。
そのために音楽をやっているようなところがあるくらいだから。

遠い昔、渋谷ジャンジャンという老舗のホールがあったが、そこで演奏後、幕間に佇んでいると、一人年配の男性が近づいて来て、メモ帳を差し出した。
「あなたのピアノが気に入りました。サインをください。」
本当に面食らった!!僕は、サインなどしたこともなかったから、
ただ自分の名前を漢字で普通に書いて渡したのだが、彼はそれで十分に満足したようだった。
それが起点じゃないかな、と思う。
 
自分自身の音楽作業やバンドの練習は苦闘の連続であり、この数十年音楽が楽しかったことなど殆どない。コンプレックスに押しつぶされそうになりながらも空元気で頑張っているだけだ。
それを救うのが、音楽ファン達の言動になる。彼らは聴くことにかけては演奏家などより余程長けている。
彼らの言葉から透けて見えるものは何だろうか。アンテナの感度を強くするのはこんな時だ。
今回のライブ、どうしてか聴き手の存在が強く感じられた。
幸福な時間。
聴き手からの贈り物でした。

🔺2024.01.21 四谷Doppo 演奏終了後