日記「引出しの中」

遠い日のハテナ ダイアリーのように、、。

2023.11.19「業・11=6+5」

というのは変拍子の割り方のことです。
先ほどから、自分の迷曲の11拍子の部分でずっと止まったまま前に進まない。
これは、FLAT122というバンドの「SPIRAL」という作品のミックス作業ということで、本当は音楽ファンが楽に聴けるようにトラックダウンしないといけない。
ところが、どうにも不満が大きくなり、停滞しているのです。
どういう不満かというと、サウンドが混濁しており自分が意図した音楽として伝わらない状況になっているということで、こうなるともう泥沼、笑
これを書いているのも気分転換みたいなもの。
この11拍子というのは変拍子の中でも不自然な表現として最右翼に類するイレギュラーリズムだと思います。
自分の最も好きな拍子は5/4拍子ですが、その5拍子がベースにあるという気がする。
また、不自然と言っておきながら相反するわけですが、聴いて決して聴きにくいわけではないと思う。
さてサウンドの混濁ですが、それはピアノのオクターブに原因があります。
これは左手を思いっきり下げて、つまりローインターバルリミッテッドに抵触するのを無視してやってしまった結果ですが、そういうのは常習犯なもので、、。
ルールは破るためにあると、、。
問題はこのバンドがベースレスであり、ギターとピアノの音が整理されていないことには、音楽が成立しない。
そこで、小さすぎる脳で考えた末、今度は思い切って両手を2オクターブ上にあげ、それに合わせたフレーズに変更したわけです。

ベースラインが抜けて間の抜けた感じになりましたが、それと引き換えに、霧が晴れたように、音楽が突き抜けて来る。この11拍子のパートはこのようであるべき、と音が言っています(ホントか?)。しかし、上記述べたようにこれはミックス中でギターのデータ、ドラムのデータも入っています。ピアノのデータも「完成」と判断したので、最初から最後まで1トラックでまとまっております。
こうして、ため息100回くらい(大げさ)で、このパートを切り取り、リアレンジ、練習、再録音、差し替えします。
本日最後まで行かないかも知れませんが、ほんの少しだけ光が見えたかも知れません。この箇所が前々から全体の質を妨害し下げていた感じがありましたので、徹底的にメスを(テクのない外科医ではあります)入れたいと思います。
聴いてくれるお客様で、この作品をプログレ界のサグラダファミリアと呼んだ方がおりました。つまり、数十年かけても完成しないと!(内容を言っているのではなく、その長さ、単純にいつまでかかっているのだ?お前は、というお叱りのコピーでしょう。)しかしこれは私の業、カルマってやつですね。こういう自分て何だかな、と思うのですが、まあ、仕方ない。少しは楽しみながら頑張りますか。


変拍子:拍子はリズムの区切り、一定の目安を譜面上縦線を用いて区分けしていくが、最も多く使用されるのが4拍子。次に3拍子(6拍子)かと思う。ヨーロッパに行くとこれがもう少し3拍子の比重が大きくなると昔聞いたことがあるが、現在はどうだろうか。変拍子は、汎用的に使用される拍子以外の変則的な拍子となる。拍子は作曲側からすると自由に設定可能な作品の背骨みたいなもの。要素としてはかなり中心的かつ重要な位置になる。作り手において好きな拍子はあると思うが、作曲家のキャラを分かりやすく表しているかと思う。5拍子、7拍子が変拍子ではよく使われるが、音楽的にそれをどのように割るかというのはバンドのリハーサルではよく議題となる。5拍子の場合、2+3なのか、3+2なのか、これを合わせないと(もしくは作為的に逆にするという手もある)妙なグルーブが生まれて、トンがったイメージになる可能性が出てくる。しかし、2+3、4+3となると、もはやレギュラー拍子の複合拍子と捉えることが出来るので、過度に変拍子を意識することもない、というのが個人的見解になる。