最近よくフラッシュバックするのは1ヶ月前の母・引越の日。
特養の大型ワンボックスに付き添い、母の隣に座る。
「お母さん、本当に久しぶりに外に出たね」
「・・・・・」無言
「少し寒いけれど、良いお天気、よかったね!」
「・・・・・」無言
「そんなに遠くないよ、すぐ着くから安心して」
「・・・・・」無言
じっと前方を見ている。
母が持っていたおおらかで明るいキャラは全て持って行かれた。
半年前に聴いた「八十八夜」が最後、もう歌うことなどない。
抜け殻状態。
それでも私には記憶というものがある。
「記憶」
一人一人、どこからか渡されている「柔らかな繭」みたいなもの。
母の言葉、仕草、そして生活と共に在った”歌”は、その中にしっかりと包まれています。
ありがとう。
あなたにはそれだけです。